ドクターXの大門先生が罹った病気
人気ドラマ「Doctor-X」で、「希少がん・忘れられたがん」と言われている「後腹膜肉腫」が取り上げられました。私は、発症率が10万人に1、2人という珍しい病「後腹膜肉腫」の宣告手術を受けたので、この病気の理解が広まるといいなと思い書いてみます。
大門美智子が余命3ヶ月の病気に!
木曜ドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』|テレビ朝日
■大門未知子、余命3カ月! 米倉涼子、細めの体型を維持して、この局面に臨む
『ドクターX』(2017)が、とうとう最終回を迎えることに! 先週放送された第9話のラストで大門未知子(米倉)が倒れる…という衝撃の展開を見せた本作。しかし、最終話ではさらにショッキングな事実が判明! なんと、未知子が後腹膜肉腫を患い、余命3カ月であることが発覚してしまいます。
引用:テレビ朝日・大門未知子公式サイト
最終回の最後、どうなったのかな? 大門未知子さん、きっと生きてるよね。「私、失敗しないので」だものね。
後腹膜肉腫とは?
「後腹膜肉腫」は、サイレントキラーと言われ、後腹膜でかなりの大きさになるまで症状が出ずに黙って進行していく、サルコーマ(肉腫)と呼ばれる「希少がん」です。
米倉さんは、細めの体型で、その場面に挑まれたとのことですが、実際の体験では、腫瘍が大きくなってお腹が膨らみました。妊婦さんだと間違われて、席を譲られる体験もしました笑。痛みもなく、太ったのだと思っていました。
後腹膜で、本来は存在しない腫瘍が増殖し場所をとるため、他の臓器を押しやって、お腹が大きくならざるを得ない感じです。書くのもためらいますが、私の腫瘍は3キロ以上の大きさになっていました。絡んだ腎臓を含め、広範切除術という大きな手術を受けました。
原因は遺伝子のエラーなのか、不明と言われます。そして、手術で取り除いて命があっても、10回、20回...と再発し、再発と手術の繰り返しとも言われています。
サルコーマが「忘れられたがん」と言われる理由
上にも書きましたが、「後腹膜肉腫」という病気は、「サルコーマ(肉腫)」という大きなくくりの中の一つの病名です。
10万人に1,2人の病気であるサルコーマ(肉腫)は、発症人数が年に数千人です。そのサルコーマは体のいろいろな部位に発生し、それによって病名がわかれます。
サルコーマ(肉腫)というくくりの中に、全く同じ病名の方が何人いるのだろうと思います。検索をしたり、ブログなどを読んでも、サルコーマ患者である私達は全く同じ病名のことは、ほぼありません。治療方法もひとりひとり違います。
私は素人なので、知識を持っているのは、自分の病気「後腹膜腫瘍(高分化型脂肪肉腫)」というサルコーマだけです。
私と同じ病名の方をブログでお見かけしたことがあるのは、宣告からの3年間ではお一人だけでした。その方も、お腹周りが大きくなられたそうでした。
そんな理由から、サルコーマ(肉腫)は、「がん」の中の「希少がん」の中のさらに小さなくくり「忘れられたがん」として、置き去りにされています。
※「がん」という大きなくくりの中に、漢字の「癌」とひらがなの「がん(悪性リンパ腫・白血病・肉腫)」があります。サルコーマ(肉腫)は、「癌」ではありませんが、「がん」に含まれます。そのため、発症人数が少なく難しい病でも難病指定にはならないそうです。
第1回!日本サルコーマ治療研究学会学術集会
10万人に1,2人が発症する原因不明のサルコーマ。さらにそこから、発生部位により、何十種類と診断名が分かれている希少な病気。
その複雑な症状を、手術したり、治験したり、化学療法をしたり、先生方も手探りだと思います。患者が得られる情報も、ピンポイントの記事はほぼありません。私が宣告を受けた2015年当時は、現在よりサイトも少なく、下のサイト3つを隅々まで読んでいました。
特定非営利活動法人 キュアサルコーマ(2014年6月発足)
Cure Sarcoma | 特定非営利活動法人 キュアサルコーマ
国立がん研究センター 希少がんセンター
肉腫(サルコーマ) | 希少がんセンター
吉野ゆりえさんのブログとご本
『キャンサーギフト』19度の手術を克服!「忘れられたがん」肉腫(サルコーマ)と共存する元ミス日本・吉野ゆりえの感謝&いきいきBlog
今は少しサイトも増えているように思います。何よりも第1回日本サルコーマ治療研究学会学術集会 2018年2月23日・24日を見つけたときは、第1回が、2018年の2月23日にスタートしたんだなぁと思いました。
すべての物事において時代の流れはこんなにも速いのに。やっと。でも、始まった!
先生方、関係者の皆さま、治療研究が進んでいきますように。発足ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
サルコーマの手術後の経過
以前、主治医のO先生に「どのくらい経ったら、検査しなくて良くなりますか?」と訊いた時に、「一生」と答えが返ってきました。
その時に、「一生卒業がない病気なのか~」と観念しました。そして「あれ?(この先)一生があるんだ」と勝手に翻訳しました。と同時に「10年もすれば、薬が出来てるかもね」とも言ってくださって...。
どちらの会話も、好きな会話です(この微妙な感じ伝わりますか~笑)。
ひとりひとりその後の経過には違いがあると思います。私も宣告後、手術後、その後しばらくは、死ぬかも知れない覚悟をして過ごしました。現在の私は、定期検査をしながら、宣告前と同じように、歩いたり、飛び跳ねたり、笑ったりして、生きています。
"サルコーマは治っていくのがスタンダード" になる日が来るようにと願って、自分の経過を公開しています。
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ブログのための画像がないので、amazonで"大門未知子"を探したら、なんと、amazonプライム会員は、「DoctorX」全シリーズを無料で観られるのでした。記事を書いた後、「DoctorX」を全て観てしまい、す~っかり大門先生のファンになりました♥ 米倉さん、カッコいい!
★2019/12/06追記のドクターX放送終了後、たくさんの方に『後腹膜肉腫』の記事を読んでいただいて、感謝しています。先週のMRI画像診断でも再発転移はなく、大門先生と同じく元気に過ごしています。たりるん
https://www.rue-rouelle39.com/entry/2019/12/06/004358
★私のサルコーマ(後腹膜肉腫)の経過記録です。どなたかの参考になれば...。
☆’25/4/24追記:
ブログが2021年のワクB∀Nにより、サルコマの記事も含め全て消されました。消えたままでよいかと思っていたのですが、あれから10年目の春で「こんな経過もあります」と、少しずつ再投稿中です。