投稿日 2021-03-02 更新日 2022-07-01
「描く」と「編む」と「命の時間」
スイスの画家アルベール・アンカーによる、編み物をする少女達の絵が好きです。
『編み物をする少女』アルベール・アンカー(Albert ANKER) 1884年
先日、5本針の記事を書いたのですが、この名画を観ると「5本針って本当に美しいのぉ~」と思います。
針を操る指先の動きって、本当に好き。
神様、人間に魔法の指をつけてくださってありがとうございます♡
アルベール・アンカーは、19世紀スイスの画家です。
獣医の息子に生まれ、美術教育を受け、数々の受賞・受勲を受けているエリートな画家さんです。自画像です ↓↓
アルベール・アンカー(Albert Anker、本名 Albrecht Samuel Anker、1831年4月1日 - 1910年7月16日)はスイスの画家である。19世紀のスイスの村の生活や子供たちを描いて人気を得て、スイスの国民画家とも呼ばれた。静物画の優れた画家としても知られる。引用:ウィキペディア(Wikipedia)
天使しか存在しなかったかのように、19世紀の美しい時間を切り取ったアンカー。他にも、編み物をする少女たちを描いています。
鑑ていると、絵の上で時が止まります。
透き通るその筆。美しくて癒される。こちらの細胞まで透き通っていくかのよう。
※画像お借りしました https://www.artranked.com/topic/Albert+Anker
出来合いのセーターを買うよりも、自分で編みあげたセーターを着る方が贅沢。
編み機で編むよりも、手編みの方が贅沢。
輪針で編むよりも、5本針を動かす方が贅沢。
そんな「逆のような真実」を感じた時に、「あ~生きるってこういうことか~」と謎が解けて、人生がわかったような気になったり。
編み物って、椅子に座って同じ姿勢で長時間過ごしているだけのように見えるだろうけど。おばあちゃんの趣味みたいに思っている人や、暇だなぁと思っている人が、今なお多数かもしれないけれど。否、コツコツコツコツと孤独に禅のような日々を重ねていくと、なんかね~、ふふふ~。
糸を形にしているだけではなくて。そうなの、手指を動かし、脳の中のものを出現させるということは、そういうことなのです。
時代を越えて、手で「描く」や「編む」が、ずっとずっと「在る」。ということは、つまり、「描く」や「編む」は、人間にとって、それほどの存在というわけなのです。
最後にこちらも。Bunkamra展覧会図録の表紙で有名な『髪を編む少女』。この図録は、手元に置いていて、編み時間の合間によく眺めます。
絵の中の少女、描いていたアンカーさんが、世界の時間を止めている...。
観ている私たちは、美しくて、懐かしくて、束の間、自分の時が止まる...。
それでは皆さま。
今日も命の時間を
贅沢に大切に幸せに
重ねて行けますように。
☆雨のち晴れ. どうぞ大切なよい一日をお過ごしください.ご訪問ありがとうございます~♡