編み物と豊かさ
『貧乏は正しい』
編み物が上手すぎる作家・橋本治さんの著書に『貧乏は正しい』というタイトルの本があります。
中身の記憶はなくて、タイトルだけが頭に残っています。このタイトルをどう捉えるのか、長いこと意味がわかりませんでした。そして、この「あやしい時代」になって、わかった!
貧乏は正しい。
編むという仕事
まさに現在、フェイクと権威と品のなさが主導権を握り、そここそが、お金と繋がっている時代に、編み物という仕事は、面白いですよね。
編み物。
時間だけはたっぷりとかかるのに、大きく稼げない仕事。
ただただコツコツと、指先と頭と心を動かす地味な仕事。
手の平に乗るわずか50gが、数百円~とするような糸で、一目一目編んで、線をつくり、面にしながら、と同時に立体にする。
もし身につけるものなら、サイズ感もセンスの良さも、95点以上出さなきゃならない。
さらに、日常的に使ってもくたくたにならず、おしゃれだと言われた~♡と喜んでもらって、初めて合格。次に繋がる。制作した自分も安堵する。
糸玉の選択からスタートして、到達点はその地点。それほどのもの。
かけた糸代や能力や時間に見合うほどの代価がもらえることの方が、少ない。
いや。まず、ない。笑
行為のすべてが「善と想い」で成り立っている。正直じいさん花が咲く、的。すがすがしい。
貧乏は正しい。ってこのことか~と、最近妙に腑に落ちています。
コツコツと手を動かす、その真面目なコツコツが、ゆくゆくは、ハンドメイドこそ愛おしい!欲しい!と賞賛していただけるようになっていき、編物界が豊かに開けたらいいな~と。無限に広がれる感じ。
正直じいさん、欲張らずに花が咲く...
豊かさをどう捉えるか
あの会場バイトで、1日に数十万、1ヶ月に170万円~......
あまり品のない動画で、1ヶ月に1,000万円~...
一方、ちゃっかりしたところがなく、コツコツとバカ正直に手を動かしモノを産み出す「編む仕事」。大きくは稼げない。
うん。橋本治さん、やっとわかりました。
フェイク時代だからこそ、芯から納得出来たこと。貧乏は正しい。よもやよもや。
こんな感じ方からも、二叉路に分かれてしまってると気づく。
つまり
1. 魂の豊かさとお金持ちはイコールとはいえない。
2.バカ正直な仕事で、どっかんどっかんと稼げるわけがない。
.:*゜.:。:.(´∀`).:*゜:。:.
いずれにしても、いつか訪れるその瞬間、閻魔様に撫でてもらえる自分でいたいです。
目に見えるモノじゃなく、目に見えない大切な根っこが豊かになっていますように☆
それでいいのだ~。
☆今日は母の誕生日。お母さんおめでとう!!産んでもらった娘は、目に見えないものこそが宝だと納得するところまでは成長しました。←今ココ