古き良き時代?ベルエポック~♪
パリで暮らしていた頃、隣の部屋にとってもきれいなパリジェンヌが住んでいました。
ルーエル通りのパリジェンヌ
その友人ナッシマとは、ある日の夕方、ルーエル通りのアパルトマンの1階玄関入り口で出会いました。パリのその部屋に暮らし始めて4日目くらいだったと思います。
私が異邦人なので怪しく思われないように、いつものスマイルを倍盛りにして、Bonjour!と挨拶をします。
ナッシマは、パリジェンヌお決まりのシニョンが似合うとってもきれいなパリジェンヌです。気さくにBonjour!と返してくれました。
私は、なんというかその時とっても積極的というか、なつっこくて、「フランス語を勉強したいのだけど、教えてくれませんか?」って訊ねてみました。
なんと返事は間髪入れずに「Oui! Bien sur! いいわよ。もちろん」。エレベーターで一緒に4階に上がる間に(そうなんです。なんと、お部屋も隣同士でした。)、「1回1時間、週2~3回、1回10ユーロで。月曜日から」と話が決まってしまいました。バンザイ!
「現地の人からフランス語を習いたい」という願い(目標)が早々に叶うことになりました。しかも、お隣さんのパリジェンヌ。あとから思えば、パリ滞在中はとにかくすべてが上手く回っていて、その時もとてもツイていました。

※エッフェル塔近くの、ナッシマとお隣同士の部屋の窓からの眺め。遠くに見えるサクレクール寺院。
※「あああ。ナッシマごめん。逆光~」この後きれいに撮りなおしました。
ナッシマは、夕方6時頃仕事から帰ってきます。帰ってきたらノックをしてくれます。私は、勉強道具を持って、ナッシマの部屋に向かいます。
ナッシマはいつも美味しいオレンジジュースを用意してくれていました。それから、本物の語学の先生のように、フランス語の教材をコピーしてくれていました。
教材の他に、部屋をいくらで借りてるの?とか、彼の話とか、お洋服の話、仕事やパリのストライキの話なんかをして、毎回待ち遠しくとても楽しい時間でした。
パリジェンヌとお肉と牛乳
私がベルギーへ1泊2日の旅へ出る前の晩、ナッシマがノックをしてきました。
ナッシマ「Tu as du lait? たりるん、牛乳ある?」
たりるん「うん。あるよ。どうぞ。」
ナッシマ(手に持っていたお肉のパックを差し出して)「牛乳のお礼ね、Voila!」
たりるん「明日はアントワープに行く日だから、牛乳もお肉もなくていいの。お礼なんていらないよ~」
゚・*:.。..。.:*・゚
ナッシマは、アントワープへ行く理由(MoMuです)も、アントワープ行きの列車が出る Gare du Nord のホームまでの「行き方予行演習」したことも知っています。予行演習は笑われましたが^^
ナッシマ「えーーー。受け取って。ほら。美味しいから。」と、牛乳の比ではない、大きなお肉のパックをくれました。
昔の日本は、お隣さんと醤油の貸し借りをしていた。という話を聞くことがありますが、Paris でご近所づきあい、健在でした!
『FUDGE』8月号 7/12発売
昨夜、ふと、ナッシマのことを思い出したのは、『FUDGE』8月号(2018年)を手にしたからです。8月号の『FUDGE』のテーマは「真似したい!パリとロンドンの日常着」。
パリの日常スナップ、こんなのイイな~♡が、たくさん掲載されています。普段のパリです。パリの光がキラキラしています。
最近のヨーロッパは怖いテロが起きたり、移民・難民や経済の問題があります (2年前、2016年7月14日、パリの革命記念日。南仏ニースの花火大会に、トラックが突入するテロがあり、86人の方が犠牲となりました) 。
ですが、そんな状況下でも、日常のパリは、やっぱりパリ。どんなアングルを切り取っても絵になる花の都は健在、強いです。
この髪型いいな、このブラウスいいな、このカゴいいな、この鉛筆いいな、やっぱり絵うまいなぁ~...とページを眺めながら、モノの背景にあるパリの空気にうっとりします。
パリはどうして、諸々がこんなにもお洒落なのでしょう?空気自体が芸術してるものなぁ♡
赤くて目立つ表紙の『FUDGE』8月号。とぉ~ってもリラックス出来ます。パリのスナップ最高です!SNSで会うナッシマも元気で、相変わらずキレイです☆
それではまたね。A bientot!
(追記)
ネット上から消えてしまった「たりるん過去ブログ」を眺めていたら、この記事が出てきて、懐かし過ぎて、胸が傷みました。3年半前はこんな文章を書きながら、まさか数年後に世界がこんな風に一変してしまうなんて、思いもしなかった。海外は計画すれば好きに行けるものだと思っていた。今は、自分の実家でさえ、飛行機に乗ることさえ、気軽じゃないもの...。古き良き時代。あの日にかえりたい。